PEST分析とは?

PEST分析とは?

PEST分析は、ノースウェスタン大学ケロッグビジネススクールのフィリップ・コトラー教授が提唱したものです。コトラー教授は、「コトラーの戦略的マーケティング」という著書の中で、環境を分析することが大切である旨を記しています。

PESTとは、政治的(P=political)、経済的(E=economic)、社会的(S=social)、技術的(T=technological)の頭文字を取った用語です。外部環境の中でも市場に影響を及ぼすマクロ環境を把握して、各々の外部環境が今後自社へどのような影響を及ぼしていくのかを考えていくフレームワークがPEST分析です。

1.P:政治的・・・規制緩和や規制強化、新法の制定、現行法の改正、税制改正、裁判所の判決の動向、海外の政治情勢、為替の動きなど

2.E:経済的・・・景気、物価、経済成長率、国民総生産(GNP)、国民総所得(GNI)、金利の動向、株価の動向、為替の動向、原油価格の動向など

3.S:社会的・・・人口推移、出生率、流行、自然環境、二酸化炭素排出率、ライフスタイル、宗教、犯罪発生率、教育水準、雇用調整、人材確保の環境など

4.T:技術的・・・特許出願数の推移、技術の進歩、新技術普及率、標準化競争、技術力競争など

PEST分析を行うことで、どの市場にどうやって参入するか、将来どんなことが生じる可能性があるのか、自社はどんな戦略を打ち立てていくのかなどを柔軟に組み立てることができます。

また、PEST分析を行う際は、海外にも目を向けることが大切です。海外進出を考えている場合だけでなく、海外の政治情勢や経済情報も国内に様々な影響を与えるからです。

PEST分析を行う際の注意点

PEST分析を行う際、情報を得る時点では点としての数値であっても、それを単なる点としての数値として把握せず、流れの中の1点であることを意識することが重要です。

例えば、ある日の為替相場が1ドル=120円だったとします。この数字だけ見て円高なのか、円安なのか判断できるでしょうか?判断できないというのが正解ですよね。

1ドル=80円台まで進んだことがあるから、120円だったら円安だろうという意見もあれば、昔は1ドル=360円だったんだから、それと比べれば円高だろうという意見もあるでしょうから。

つまり、比較する数値がなければ、特に数値化されるものに関しては評価できないのです。そのため、PEST分析において数値化されたデータの情報を取得する際は、必ず推移や流れを把握できるように気を付けましょう。

次に、PEST分析を行う際は、リスクとなる外部環境がピックアップされた際に、解決策や回避策、危機管理なども同時に考えていくことが大切です。PEST分析によって撤退する事業も出てくるかもしれませんが、撤退という判断を下すのは企業にとって非常に大きな決断となります。一度構築しようと思ったビジネスは、少々厳しいPEST分析の結果を見ても、実行していく可能性は十分にあります。

その際、PEST分析でこれだけ厳しいんだからやっても無駄、という視点ではなく、何をどうしたらこの環境で打ち勝つことができるのか?を考えてみて下さい。そのものズバリの解決策でなくても、少し何かを変えるだけでオンリーワン企業、ナンバーワン企業となれる可能性を秘めています。

是非、状況把握のみならず、その状況への対応策、その状況下で行う際のリスク回避策、危機管理などの視点で考えてみて下さい。

SWOT分析・クロスSWOT分析とは~

SWOT分析とは?

SWOT分析とは、1960年代から1970年代にスタンフォード大学のアルバート・ハンフリー教授により構築され、 ハーバード大学のビジネススクールで昔から使われてきたマーケティング分析のツールです。

ビジネスにおいて目標を達成するために、外部環境や内部環境を強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) という4つのカテゴリーで要因を分析します。つまり「会社にどのような強み・弱みがあるのか」「商品サービスにどのような強み・弱みがあるのか」「会社をとりまく外部環境にどのような機会・脅威があるのか」などを分析するのです。

1.強みと弱み・・・商品サービス、企業の規模、立地、原材料、設備、ブランド、企業風土、価格など

2.機会と脅威・・・流行、法制度、経済状況、人口の推移、環境の変化、競合他社の動向など

1の強みと弱みについては、会社自身の強み・弱みや商品サービスに関する強み・弱みです。昔から会社の資源は「人・モノ・金」と言われてきました。近年はこの3つに「情報」を加えて言われることがありますが、このような資源だけが強みや弱みの対象ではありません。会社の強み・弱みには、従業員1人1人が有している強み、会社の理念、顧客からの信用力、会社のブランド力などといった決算書の数字に表れにくい強みや弱みも含まれます。こうした強み(知的資産)をしっかり認識し、経営に生かしていくことが重要です。

2の機会と脅威については、自社にとって機会となっている(これから機会となる)要因と、自社にとって脅威となっている(これから脅威となる)要因とに分けて整理することが大切です。そして、競合他社の動きがどうなっているのかを調べて書き出すことも重要です。

SWOT分析の目的

SWOT分析はどのような目的で使われるでしょうか?SWOT分析を使う目的は、主に経営戦略とマーケティングの策定が多いです。

1.経営戦略の策定

SWOT分析は、経営者が経営戦略を策定したり、目標を設定したりする際に活用されます。SWOT分析は、きちんと分析することができれば、事業戦略を見直したり、事業戦略の精度を向上させたりすることができます。なぜなら、内部環境と外部環境を分析することから、多角的な視点で会社を見ることができ、様々なことを検証することができるからです。

会社は既存の事業をいかに発展させていくかということと、新規の事業をどのように展開していくのかという戦略を立てます。SWOT分析は、新規の事業展開の時に有用なのはもちろんのこと、既存の事業がどのような状況なのかを見極める際にも有用です。すなわち、現在の外部環境、将来の外部環境のもとで現在の事業がどのようになっていくのか、現在の内部環境の何をどのように生かすべきなのか、現在の内部環境にどのような問題点が隠れているのかを見極め、今後の戦略を立てていく必要があります。

また、SWOT分析をは定期的に実施し、適切な事業展開をはかる必要があります。

2.マーケティング戦略の策定

SWOT分析は、上記で述べたように会社が既存の事業や新規の事業の戦略を策定する時だけではなく、マーケティング戦略を立てる際にも有用な分析ツールです。

商品のマーケティングを策定する際、競争優位性を見極め、市場におけるニーズを探り、ビジネスチャンスがあるのかどうかを適切に見極める必要があります。外部環境と内部環境を丁寧に見ていくSWOT分析は、ある商品サービスは撤退すべき事業か否かを判断したり、自社が優位性を築けるのに見逃してしまっているビジネスの機会があるか否かを判断したりするのに有用です。

クロスSWOT分析のやり方

企業の強み、弱み、外部環境の機会、脅威を書き出したら、マトリックスにします。すなわち、強み×機会、強み×脅威、弱み×機会、弱み×脅威の4つのマトリックスにして分析します。

強み×機会でさらなる強み構築を考えていきます。どんな強みを、どんな機会に、どのように生かしていくのかを考えると、オンリーワンやナンバーワンを狙える差別化戦略を構築できるかもしれません。

強み×脅威で脅威に打ち勝つためにどんな強みをどのように発揮していくのかを考えていきます。脅威におびえるより、自社の強みをどのように発揮するのかを考え、強みで脅威を打ち負かすくらいの心意気をもつのも大切かもしれません。しかし、大きな脅威が想定され、強みだけでは太刀打ちできなさそうだと判断したならば、撤退も含めて考慮します。

弱み×機会で弱みを克服する、あるいは弱みに打ち勝つために、どんな機会をどのように活かしていくのかを考えていきます。素晴らしい機会に恵まれているけれど、それを実現するためには弱みを克服しなければならないこともあるでしょう。しかし、機会を活かそうと思うあまり、弱みを克服したり、弱みをカバーすることが事業を圧迫するような事態になってしまってはいけません。その匙加減は十分に考えていくべきです。

弱み×脅威では撤退すべき事業の選択をしていきます。しかしこのマトリックスに該当するものをすべて撤退させるかどうかはもう少し考慮する必要があります。何かをずらせば生き残らせることができるからです。つまり、弱み×脅威というマトリックスから他の3つのどれかのマトリックスにシフトさせるのです。そうすれば撤退させる必要がなく、今まで培ってきたものを活かすことができる可能性も出てきます。

ランチェスター戦略とは?

ランチェスターの法則とは?

ランチェスターの法則とは、1914年にフレデリック・ランチェスターが発表した戦争における兵法に関する法則です。ランチェスターの法則には第一法則と第二法則があり、第一法則は弱者のための戦略、第二法則は強者のための戦略と呼ばれています。

第一法則は一騎打ちの法則とも呼ばれています。実際に戦闘の場面を想定して考えてみましょう。例えば、Aチームには竹槍で武装した兵士が100人いるとします。このAチームと戦闘を行うBチームには竹槍で武装した兵士が150人いるとします。AチームもBチームも竹槍の性能が同じだと仮定すると、一騎打ちした場合、人数が多い方が有利となります。すなわち、Bチームの方が優位となります。

では、Aチームには竹槍で武装した兵士が100人いるとします。このAチームと戦闘を行うBチームには拳銃で武装した兵士が100人いるとします。この場合、どれだけ竹槍の性能が高くても、竹槍よりも拳銃の方が殺傷能力が高いため、同じ人数の兵士しかいなくても、性能の高い武器で武装しているBチームの方が優位となります。このように、戦闘力は兵士の数と武器の性能を掛け合わせたものとなります。

次に、第二法則は、集中効果の法則とも呼ばれています。第二法則における戦闘では、一騎打ち戦ではなく、一人が複数の兵士を同時に攻撃する戦闘を想定しています。この場合、各チームの戦闘力は、武器の質と兵士の数の二乗を掛け合わせたものとなります。

ランチェスター戦略とは?

ランチェスターの法則を企業の経営戦略に活用した理論です。日本では1970年代にオイルショックが起こり、不況の時代に入りました。その際、成熟市場にある企業がどうしたら勝ち残ることができるのかということを考えるのがランチェスター戦略です。

ランチェスターの法則における「戦闘力」を、企業の「営業力」と考えます。

ランチェスターの第一法則・・・戦闘力=兵士の数 × 武器の性能
ランチェスターの第二法則・・・戦闘力=兵士の数の二乗 × 武器の性能

これをランチェスター戦略にたとえるとどうなるでしょうか?

まず、戦闘力は営業力と置き換えることができます。そして兵士の数は営業担当者の数、武器の性能は品質、付加価値、開発力、技術力などの会社の強み(知的資産)などとなります。

では、実際に第一法則と第二の法則の使い分けはどのようにしたらいいのでしょうか?

第一法則は一騎打ち戦がベースとなっているので、小さなところでの戦いに利用します。つまり、狭い地域内で競争したり、特定の分野の商品サービスを提供したり、特定の顧客層をターゲット層にする場合などに利用します。

これに対して第二法則は広域戦などがベースとなっているので、第一法則と異なり広い地域で競争したり、広範な商品サービスを提供したり、広範な顧客層をターゲット層にする場合などに利用します。

大企業は人数も多く、資金も潤沢にあるため、第二法則の戦略をとり、圧勝することができます。大企業は、企業のブランド力や資金力などによって新たな需要を創造したり、広域な地域で戦ったりなどによって総合的に戦い、勝ち抜いていくことができます。

しかし小さな会社はこのような強者の戦略をとることができません。ありったけの人材や資金を投資したとしても、大企業と同じ土俵で勝ち抜くことはできません。そこで小さな会社が勝ち抜くためには差別化戦略をとることが優位と言われています。

つまり小さな会社はランチェスターの法則の第一法則を用いて特定のものに集中していく戦略をとることが有用です。小さな会社の人材を集めて特定の商品サービスに集中するとか、その販売を狭い地域に絞るとかなどです。

また、小さな会社は大手企業のようにブランド力を構築するのは大変な代わりに、ターゲット層の顧客と近づきやすいという強みもあります。ターゲット層の好む販売方法や志向を調査し、そこに合わせた経営戦略を築きやすいのは小さな会社の強みといえます。このことからも、ランチェスター戦略は小さな会社のための経営戦略と言われることもあります。

PDCAサイクルとは?

PDCAサイクルとは?

企業が事業活動を行う上で生産管理や品質管理などの管理業務を行っていきます。その際にPDCAサイクルを行うと円滑に進められます。またPDCAサイクルを行うと、業務を継続的に改善することができます。PDCAサイクルとは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4つの 段階を繰り返すことです。

1.Plan(計画):業務遂行などの方法や手順を企画すること
2.Do(実行):Plan(計画)で立てた内容を実際に実行すること
3.Check(評価):Plan(計画)に沿ってDo(実行)できたかを評価すること
4.Act(改善):Check(評価)の際に改善点が出てきたら、その改善を行うこと

まずは目標がなければ何も始めることができません。そのため、最初に目標設定を行います。その後、その目標を達成するためにどのような行動をするのかの計画を作成していきます。

次に設定した目標を実行するために実際に行動をしていきます。その際、計画段階と異なる行動をする場合も出てきます。その際、無理に計画通りに実行することに固執せず、なぜ計画段階と異なる実行をすることになったのかを意識し、メモをとっておくと、その後の工程で役立ちます。

そして、計画立案から実行を踏まえて出てきた結果や成果を評価します。その際、行動した時に発生した問題点や課題をピックアップします。成功したことに関しても、失敗したことに関しても、計画の何が良かったのか・悪かったのか、実行する際の何がよかったのか・悪かったのかを検討します。

最期に評価の際に明らかになった問題点や課題に関しては改善案を作成します。そして次のPDCAサイクルの際に業務を改善できるように準備します。

このサイクルを繰り返すことにより、常に改善を重ねて変えていくことができるため、日々業務の改善がされていきます。

PDCAを効率的に回すコツ

1.具体的な計画を立てること

計画の次にあるのは実行です。この計画の立て方により、実行する際のモチベーションや効率が異なってきます。例えば、「営業成績をあげよう」という計画と、「営業成績を月100万円あげよう」という計画を比較してみましょう。前者の計画を実行に移すとしても、なかなか具体的な実行プランへつながっていきません。これに対して後者の計画を実行に移すなら、いくらの商品をいくつ多く販売するとか、この商品をいくつ販売するとかなど、具体的な実行プランがみえてきます。このことから、いかに具体的な計画を立てるのか、というのがPDCAサイクルを効率的に回す最初のコツとなります。

2.徹底した原因追究を行うこと

計画して実行すると、必ずうまくいくこと(成功すること)とうまくいかないこと(失敗すること)とが出てきます。うまくいったことにも、うまくいかなかったことにも、必ず原因があります。成功の原因、失敗の原因を徹底的に追究することで次のPDCAサイクルを回す際の参考になります。成功や失敗の原因を追究する際には「なぜ?」という質問を5回繰り返すと良いと言われています。なぜ?を5回も繰り返すと、かなり根本的な原因が見えてくることも多いため、次のステップの際に有用です。

3.数値化した改善案を出すこと

特に問題点や課題の原因追究ができても、それが改善できなければ意味がありません。追究した問題点や課題を改善していくためには、やはり具体的な改善案が必要となります。「具体的な改善案」というのは、「数値化された改善案」となります。

「営業成績を月100万円あげよう」という計画に対して、「電話をかける件数を1000件増やす」という行動計画を立てたとします。しかし実行できたのは500件増やせたのみだったとします。500件しか増やせなかった理由は、勤務時間との兼ね合いだったとします。つまり計画段階で無理があったとしましょう。

その際、改善案としては、今回1件当たり平均何分かかったのかを計算し、その時間数を踏まえて実行可能な件数で、実行可能な成績目標を立てていきます。この数値化した改善がより具体的な計画立案につながっていき、PDCAサイクルを効率的に回すことにつながっていくのです。

ブルーオーシャン戦略と戦略キャンバス・4つのアクション

ブルーオーシャン戦略とは?

ブルーオーシャン戦略とは欧州経営大学院のW・チャン・キム教授とレネ・モボルニュ教授が著したビジネス書の中の経営戦略論です。W・チャン・キム教授は英語版を、レネ・モボルニュ教授はドイツ語版を出されています。

ブルーオーシャンとは未開拓な市場を意味し、レッドオーシャンと対比して使われます。レッドオーシャンとは既存の市場を意味します。レッドオーシャン市場だと過剰な競争が繰り広げられて、苦戦するケースも多く見受けられます。つまり、レッドオーシャンだと価格競争に巻き込まれやすいのですが、ブルーオーシャンだとプライスリーダーになることができるのです。

マイケルポーターは競争戦略の中で、事業が成功するためには、「低価格戦略」または「高付加価値化による差別化戦略」のいずれかを選択する必要がある旨を示してきました。これに対して、ブルーオーシャン戦略では、以下で示すとおり、低コスト化と高付加価値化による差別化の両方について検討していきます。

ブルーオーシャン戦略とは、未開拓な市場なので、顧客へ新たな価値を創造して提供するものですが、新しい価値を提供したとしても、顧客を獲得・創造できるのか、という問題がでてきます。顧客を獲得・創造するためには、顧客から求められる独自性が必要で、一貫性や永続性も求められます。

こうした課題はあるものの、ブルーオーシャンを開拓した方がいいのはたしかです。では実際にどのように展開していけばいいのでしょうか?そこでここでは戦略キャンバスと4つのアクションという考え方をご紹介します。

戦略キャンバスとは?

戦略キャンバスとは価値の差別化と低コスト化を考える際の分析ツールです。横軸には製品の価格、機能、ブランド、デザインなど競争要因となる要素をとります。この横軸にとるものは顧客から見た提供価値となります。

縦軸には横軸にとった各要因に対する価値のレベルをとります。この縦軸は顧客が受けている横軸の各要因のレベルを示しています。

戦略キャンバスに描いた価値曲線が、横軸のどの部分に対しても縦軸が高い場所にプロットされる場合、ブルーオーシャン戦略には適しません。逆に、横軸の特定の部分に対して縦軸が高い場所にプロットされる場合ブルーオーシャンで主役となりえます。

4つのアクションとは?

ブルーオーシャン戦略は、低コスト化をすすめながら、顧客への提供価値をあげることにより、未開拓な市場を開拓していきます。では、どのようにしてコストを下げるのか、どのようにして顧客への提供価値を上げるのかを考えていけばよいのでしょうか?これを考える分析ツールの1つが4つのアクションです。4つのアクションは、4つの問いを通じて、今までの戦略を見直していくものです。

4つのアクションの問いは以下の4つです。

1.製品やサービスの要素のうち、取り除くものは何か?(Eliminate 除去)
2.製品やサービスの要素のうち、減らすものは何か?(Reduce 減少)
3.製品やサービスの要素のうち、増やすものは何か?(Raise 増加)
4.製品やサービスの要素のうち、新たに創造するものは何か?(Create 創造)

上記のうち1と2の問いについて考えると、取り除いたり減らしたりする要素が見えてきます。つまり、競合他社の製品やサービスと比較して、何を取り除き、何を減らすのかが見えてくるため、低コスト化につながります。

3と4の問いについて考えると、顧客にとっての価値が高まり、新たな需要を創造する要素が見えてきます。つまり、競合他社の製品やサービスと比較して、何を増加させ、どのような新しい価値を提供するのかが見えてくるため、顧客への提供価値の向上につながります。

4Cとマーケティングミックスとは?

4Cとは?

4Cとは、Customer Value(顧客価値)、Customer Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の4つの頭文字をとったものです。4Pは売り手視点の用語であるのに対し、4Cは顧客視点の用語です。

Product(製品)に対応するのがCustomer Value(顧客価値)、Price(価格)に対応するのがCustomer Cost(顧客コスト)、Place(流通)に対応するのがConvenience(利便性)、Promotion(プロモーション)に対応するのがCommunication(コミュニケーション)です。

Customer Value(顧客価値)は顧客にとってどのようなメリットがあるのか、あるいはどのような悩みを解決するのか、すなわち顧客が製品サービスを購入する価値を意味します。Customer Cost(顧客コスト)は、顧客がその製品サービスで節約できる金額や時間や、その製品サービスで避けることができるリスクです。Convenience(利便性)は、顧客にとって製品サービスをできる限り簡便に製品情報や製品を入手できる方法を意味します。Communication(コミュニケーション)は、売り手と買い手との双方向のコミュニケーションを図ろうとしており、そのコミュニケーションを生み出す手段となります。企業は、こうした顧客の視点も踏まえ、どのように販売するのかを考えていく必要があります。

マーケティングミックスとは?

マーケティングミックスとは、4Pと4Cとを掛け合わせて企業が戦略を立てていくことをいいます。

1.Product(製品)× Customer Value(顧客価値)

製品を提供する企業側の一方的な想いによる提供にならないよう、顧客の望む価値にも配慮した製品設計やサービス提供を考えていく必要があります。製品サービスの内容だけでなく、外観、見せ方、アフターサービスなどを顧客視点で振り返ることが大切といえます。

2.Price(価格)× Customer Cost(顧客コスト)

価格は単に提供する価格だけにとどまりません。定価、割引条件、割引率といった顧客が実際に支払う価格が重要であることは当然ですが、支払い条件や決済方法などにも配慮する必要があります。例えば飲食店で現金しか決済方法がないお店とクレジットカードに対応しているお店とがありますが、ターゲット層のニーズに合わせた決済方法を用意する必要があります。

3.Place(流通)× Convenience(利便性)

流通というと流通経路が頭に浮かびやすいのですが、単なる流通経路にとどまりません。例えば、実店舗であれば立地条件も含まれますし、小売業であれば納品方法や在庫状態なども流通の1種といえます。ターゲット層にとってどのような流通が望まれるのか、どれだけの種類の流通を確保できるのかも重要な視点となります。

4.Promotion(プロモーション)× Communication(コミュニケーション)

プロモーションは販売促進、すなわち企業からターゲット層への働きかけです。顧客は双方向のコミュニケーションを望んでいますが、プロモーションは企業側が言いたいことをいうだけのものになっていることが多いのも事実です。

例えばホームページにおいて、読み手のことを意識せずに書きたいことだけを書いているために、顧客は必要な情報を得づらくなっているなどのケースがあります。伝えるべき情報を伝えつつ、ターゲット層が読みやすいホームページの構成や書き方にするなどの視点も重要です。

4P分析とは?

4Pとは?

4Pとは、マーケティングでいわれる4つのP、すなわちProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の頭文字をとった言葉です。これら4つについてどのような戦略をとり、組み合わせていくことで最大の効果を目指していくのかを考えていきます。この4Pは売り手の観点となります。

1.Product(製品)

企業が利益を得ている製品サービスそのものについて考えます。製品サービスの内容はもちろんのこと、機能・品質・デザイン・ブランド・パッケージ・保証なども含めて考えます。その際、製品は顧客のニーズに合致しているのか、顧客は製品サービスにどのようなことを求めているのか、自社の製品サービスは顧客にとってどのような価値を提供するのかなどそれは何かなどの消費者目線で分析することが重要です。

2.Price(価格)

自社の製品サービスの提供価格です。製品サービスの原価計算をもとに算出する必要があるのは当然です。しかし、提供価値と見合っているのか、顧客は購入してくれるのか、競合他社はどのような価格設定をしているのかなども考慮して決定する必要があります。

3.Place(流通)

製品サービスを提供するためには、市場に流通させる過程があります。製品サービスの流通経路や販売場所などです。実店舗であれば立地条件を見極める必要がありますし、ネット販売であれば受注してから製品サービスの提供完了までをインターネットで完結できるしくみ作りが必要です。

4.Promotion(プロモーション)

製品サービスをターゲット層の人にいかに認知してもらうのか、これがプロモーションです。昔からある媒体としては、テレビやラジオのCM、雑誌広告などがあります。近年ではインターネット広告やメールマガジンなどの方法もあります。ターゲット層の動向を見て、最適なプロモーションを行う必要があります。

4Pの戦略の立て方

1.Product(製品)戦略

「何の製品サービスを販売するのか?」、これが製品戦略となります。この際重要になる視点が、顧客視点です。つまり、わが社はこれを売りたいんだ!この製品サービスはこんなに素晴らしいんだ!という視点ではなく、自社の製品サービスを購入して欲しいと思っているターゲット層の方々が欲しいと思う製品サービスを販売するという視点が重要なのです。

世の中にまだ製品サービスがあふれておらず、作れば作るほど売れたという大量生産・大量消費の時代においては、マーケティングという概念は不要でした。なぜなら、企業が製品を作れば何もしなくても売れたからです。しかし現在は製品サービスが過剰供給となっており、多くの製品サービスが成熟期を迎えています。このような時代では、顧客は必要に迫られたものや、心を動かされて欲しいと感じるものに出会った時にしか製品サービスを購入しません。そのため、顧客のニーズに合った製品戦略を立てる必要があるのです。

2.Price(価格)戦略

この製品サービスをいくらで販売するのか?、これが価格戦略です。価格戦略は4Pの戦略の中でも重要な要素です。価格が低ければ低いほど顧客は購入しやすくなりますが、企業は薄利多売とならざるをえなくなります。一方で、価格が高ければ高いほど企業は高い利益率を上げることができますので、企業にとって収益性はよくなりますが、顧客は購入をためらうようになります。

企業が価格を決定する際、製品サービスにかかる原価をベースに考えるのは当然です。しかしそれだけでなく、市場の動向、顧客の動向、競合の動向を十分考慮し、需要と供給に見合った価格戦略をとっていく必要があります。

3.Place(流通)戦略

この製品サービスをどこで売るのか?、これが流通戦略です。流通戦略は顧客のターゲット層によって異なってきます。製品サービスが素晴らしくても、それを利用するターゲット層がいる場所で販売しないと製品サービスを必要とする人に届かないからです。

例えば、学生が主な顧客である商品サービスであればどこで販売するのが良いのか?一般のサラリーマン家庭の主婦が主な顧客である商品サービスであればどこで販売するのが良いのか?経営者が主な顧客である商品サービスであればどこで販売するのが良いのか?などです。近年はインターネットを使った販売も多くなりましたが、顧客の行動を分析し、インターネットの中でもどの媒体を利用するのかを検討する必要があります。

4.Promotion(プロモーション)戦略

この製品サービスをどのようにして自社製品を知ってもらうか?、これがプロモーション戦略です。少し前まではテレビ、新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアを利用したくても、自分から発信することができないため、プロモーション戦略がとりづらかったといえます。しかし近年はインターネットの発達により、個人や小さな会社でも自分で発信することができるようになりました。

プロモーション戦略も、ターゲット層によって最適な媒体や発信する時間帯などが異なりますので、ターゲット層の動きを把握したうえで最適な方法を模索していく必要があります。

バリューチェーン分析とは?

バリューチェーンとは?

バリューチェーンという言葉は、1985年にマーケルポーターが「競争優位の戦略」という書籍の中で使用した言葉です。バリューのチェーンということで、日本語では「価値連鎖」と訳されますが、マイケルポーターは、企業の事業プロセスが顧客に対してどのような価値を創造するのかを把握するために、企業の活動を主活動(現場活動)と支援活動に分類し、事業プロセスを分析することを提唱しました。

マイケルポーターのいう主活動(現場活動)とは、商品が顧客に届くまでの流れの各プロセスで商品に価値を付加していくことに関する活動を指し、支援活動とは、顧客へ商品を届けるまでの流れを支援する活動を指します。主活動(現場活動)には、購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスというプロセスがあり、支援活動には、全般管理(インフラストラクチャ)、人事・労務管理、技術開発、調達活動というプロセスがあります。

例えば製造業の場合、購買物流とは原材料の仕入れおよび保管を、製造とは製品または半製品への加工を、出荷物流とは製品の出荷を、販売・マーケティングとは製品の販売を、サービスとは販売後のメンテナンスやアフターサービスを意味します。こうした各工程を支える支援活動が行われています。

一方で小売業の場合、製造業とは少し異なるバリューチェーンとなっています。購買物流に該当する部分が出店および仕入れ、製造に該当する部分が商品開発、出荷物流に該当する部分が中間業者への出荷、販売・マーケティングに該当する部分が広告宣伝やプロモーションや販売、サービスに該当する部分がクレームがあった場合の対応となります。

バリューチェーン分析のメリット

企業内で様々な活動の流れや相互のつながりを分析することにより、市場のニーズに柔軟に対応することが可能となります。そして、主活動を構成する各要素の効率を上げるか、競合他社との差別化を図ることで企業の競争優位が確立ができることがバリューチェーン分析のメリットですが、もう少し詳しく記述してみます。

1.企業の強みと弱みの認識

企業内の様々な活動の流れや相互のつながりを分析する中で、企業内に隠れている強みと弱みを把握することができます。つまり知的資産を認識することができるのです。企業内の強みがわかれば、それを今後どのように活かしていくのかを考えるきっかけになりますし、その企業が成功するための条件を把握することもできます。また、企業の弱みがわかれば、それをどのように解決するのか、すなわち、自社で解決を図るのか、それを強みとする他社と連携して解決を図るのかなどを考えていくきっかけになります。

2.競合他社との差別化戦略

市場は常に変化し続けています。今、市場ニーズが高くても、将来どうなるかはわかりません。そのため、競合他社の動向をつかみ、予測していくことは重要です。丁寧なバリューチェーン分析を行うことにより、自社と他社の強み・弱みを把握し、市場の状態やニーズの予測を行うことで、現在および将来の戦略について考えていく必要があります。

3.コスト戦略

バリューチェーン分析を行うことにより、各活動のプロセスが見えてきます。この各プロセスで高い付加価値を創出することができればよいのですが、コストという問題が出てきます。各プロセスごとに創出する付加価値とそれに伴うコストの関係を認識し、各プロセスと全体をみながらバリューチェーンを再設計する必要があります。また、コスト次第では市場で優位なポジションをとることも可能となります。

バリューチェーン分析のデメリット

バリューチェーン分析は、原則として現在の自社を分析することしかできません。ここがバリューチェーン分析のデメリットといえます。企業の経営は過去から現在、そして現在から将来にわたって流れています。そのため、まずはバリューチェーン分析で現時点の自社をしっかりと把握することは大切です。しかし、それだけにとどまらず、現在の強みや弱みを構築してきた過去と向き合い、過去のどのような活動が現在のこの強みや弱みと関連しているのか、そして現在のこの強みと弱みをどうすれば将来あるべき姿になっていくのかを考えていくことが重要といえます。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析とは?

PPM分析とは?

PPM分析とは、自社製品のライフサイクルを分析する手法で、アメリカのボストン・コンサルティング・グループが開発した手法です。PPM分析は、企業が多角化戦略を展開する際に、複数の事業間でいかに適切に企業の経営資源を配分していくのかを検討する際に有用です。

PPM分析では、自社の製品のライフサイクルを、「市場成長率」の高低と「市場シェア」の大小で軸をとり、4つのブロックに分けます。この4つのブロックそれぞれで、どのように経営資源を配分すべきかを決定していきます。「市場成長率」や「市場シェア」とまでいえる製品がない中小企業や小規模事業者は、市場成長率ではなく売上高の伸び率に置き換えたり、市場シェアを販売数や顧客数に置き換えたりして検討してみるのも良いでしょう。

問題児

市場成長率は高いのに市場シェアが小さい状態の事業分野を指します。市場成長率が高いため、市場の成長にあわせた投資が必要となります。この状態が続くと事業を圧迫する可能性があるため、早めに「花形」に移行させるか、「負け犬」になると見極めるかして、適切な対応をしていく必要があります。本来は、「問題児」から「花形」へ移行し、その後「金のなる木」へ移行するのが一番望ましい姿です。

負け犬

市場成長率は低く市場シェアは小さい状態の事業分野を指します。事業の最終の状態ということもありますし、事業をうまく成長させられなかったり、投資に失敗した状態ということもあります。負け犬の事業分野から這い上がることは非常に難しく、撤退を含めて考慮すべき事業といえます。

花形

市場成長率は高く、市場シェアは大きい状態の事業分野を指します。問題児から花形へ移行してくるものもあるでしょう。この事業分野のものは利益もまだ十分には出ないため、金のなる木に育てていく必要があります。

金のなる木

市場成長率は低いけれど、市場シェアは大きい乗田の事業分野を指します。追加投資をしなくても収益の上がる事業分野です。しかし、いつまでも永遠に金のなる木でいられる事業分野はありません。金のなる木から問題児に移行する事業もありますし、負け犬に移行する事業もあります。市場成長率や市場シェアの動きをみながら、再度付加価値化を図り、花形へ戻す方向を模索したり、場合によっては撤退を考えたりするなど、適切な対応をしていく必要があります。

 

 

6つのパス

6つのパスとは6つの経路のことです。これは競争のない新市場を創造する戦略です。競争のない新市場のことを「ブルーオーシャン」といい、ブルーオーシャンを考える際に6つのパスの戦略を使います。

経路1:代替品・代替産業

自社の競合は同業種の他社とは限りません。もちろん同業種の他社は競合ですが、異業種にも競合がいるということです。例えば、マクドナルドの競合はロッテリアやモスバーガーなどだけではありません。マクドナルドを利用するお客様のことを考えてみましょう。マクドナルドをランチで利用するお客様をターゲットにするならば、マクドナルドの競合は、ロッテリアやモスバーガーなどだけでなく、お弁当屋さん、スーパーマーケット、ランチ提供店など様々なところとなります。

このように「代替品」となる場合とは別に、用途はまったく異なるけれど、ある目的に着目した場合に代替になり得る場合もあります。例えば、カラオケとパチンコを考えてみましょう。カラオケは歌を歌う目的で入店するところ、パチンコはギャンブル性のある遊びをする目的で入店するところです。先ほどのように「お昼を食べる」という目的というように入店の目的は一致しないのが通常です。しかし、次の予定まで1時間空いてしまった人が、1時間という時間をつぶす目的で入店する場合を想定してみて下さい。この時、カラオケを選ぶ、パチンコを選ぶ、喫茶店を選ぶ、美術館を選ぶなど、選択の余地はたくさんあるわけです。もともと各施設のターゲット層はまったく異なるのに、ある目的に特化すると、その目的という意味では代替となりうるわけです。

経路2:業界内の別戦略

A社とB社は同じ「教育産業」という業界内にいるとします。A社は子供相手、B社は社会人相手とします。同じ業界内でもターゲット層が異なれば異なる戦略をとっているはずです。しかし、ターゲット層が異なる同じ業界のやり方、考え方、戦略等を見ると、自社の今後の展開において大きなヒントとなることもあります。

経路3.顧客の連鎖

顧客と一言で言っても、顧客=利用者とは限りません。例えば、ランドセルの利用者は小学生です。しかし購入者は父母や祖父母です。また、顧客=利用者であったとしても、顧客が単独で判断しない場合もあります。例えば住宅を購入する場合、顧客=購入した住宅の利用者は20代~40代位の人であるケースが多いと考えられます。しかし購入前に両親や知人などに相談をし、その人の意見に従うことがあります。つまり、顧客だけを見ていてはわからない、顧客の心理に影響を与える人の存在があるのです。

経路4.関係業界、補完材

ある商品が売れる時、関連商品も一緒に売れることが多いです。例えば、パソコンを購入した人は、プリンター、プリンターのインク、マウス、延長コード、パソコン用の机なども一緒に購入する可能性があります。パソコンのメーカーやプリンターのメーカーだからといって、そのものだけを見るのではなく、関連する商品にも目を向けると色々なビジネスチャンスが見えてきます。

経路5.機能志向と感性志向の切り替え

人が商品を購入する時、特定の機能を重視して購入する場合と、デザイン性やブランドのイメージなどといった感性を重視して購入する場合とがあります。例えば、ノートパソコンを購入するとします。この時、ワープロ機能と表計算機能とメールとネット検索ができればよいという機能を重視して購入するのであれば、どのノートパソコンでもほとんど対応できるでしょう。しかし、キーボードの配置はこういうものがよいとか、このメーカーのものが良いとか、このデザインが良いとかなど、感性によって選択されるケースは多々あります。

逆に、おしゃれという感性を前面に出してビジネスをしていた理容業界、美容業界の中には、「機能性」を前面に出したビジネス戦略をとっているお店もあります。短時間で最低限のカットだけを安く行う美容院や理容院です。

このように機能志向を重視していた企業は、少し感性志向を取り入れられないかを検討したり、感性志向を重視していた企業は、少し機能志向を取り入れられないかを検討したりすると、今までに見えていなかったものが見えてくることがあります。

経路6.将来の洞察

事業計画を立てる際にも必ず行う外部環境の検討。法律、社会、経済などの外部環境が今後どのように変化していくのか、その変化によって顧客のターゲットがどう変わるのか、顧客のニーズがどのように変わるのかなどを常に予測していくことが重要です。新しいターゲット層に向けた対策を考えたり、新しいニーズに応えるための対策を考えたりするとよいでしょう。

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